建築金物で国内トップクラス現場に寄り添い「ほしいを、かなえる。」
丸井産業株式会社
2030年に1000億円企業へ
1958年創業の建築金物メーカー。製品を建築現場に直接届ける事業モデルで成長し、国内トップクラスのシェアを誇る。現場で作業員が苦労する姿を見た創業者が、埋め込み式金具「丸井式インサート」を開発したのが始まりで、現在の製品数は1万点を超える。企業理念の「創業の原点は新商品にあり」、「お客さまに喜んでお使いいただける製品づくり」を念頭に、顧客のニーズに合わせた商品開発を続けている。
顧客の「ほしいを、かなえる。」
創業時から、細やかな営業やアフターフォロー体制を構築するため、営業所を全国に展開してきた。2025年6月時点で93拠点を構え、現場に迅速に駆けつけて困りごとを解決する。近年は物流拠点も拡大し、運送事業者の長時間労働規制(2024年問題)や環境課題に対応。28年には全国で3拠点目の中日本物流センター(岐阜県)を開設予定で、さらなる物流効率化を図る。
製造拠点の拡張も進めており、26年に東日本物流センター近くの茨城工場に新棟を開設。鹿児島や仙台、名古屋には特注品専門の工場を新設する計画だ。リードタイムの短縮と供給能力の向上を進めている。
建築現場では人手不足が進んでおり、取引先の多くは強度計算や技術資料作成の外部委託を迫られている。顧客のニーズを素早くくみ取り、販売部隊と別に技術面で支援する新たな部署を開設し、全国に展開。これまでの建築金物の販売に加え、長い歴史の中で培った高い技術力を用いて顧客の「ほしいを、かなえる。」体制づくりを行っている。
人材育成で1000億企業へ
会社の将来を担う新卒人材を積極的に採用しており、25年4月は過去最多の130人が入社した。入社式や新入社員研修会、懇親会は、全国の拠点に配属される同期の新人たちが一堂に会して本社を構える広島県で実施。会社の規模を肌で感じられるよう、本社や西日本物流センター、工場、下瀬美術館などを見学した。入社後は、3カ月、半年、1年、3年、5年のタイミングで社員研修プログラムを行うなど人材育成に注力。社員が常に高いモチベーションで働ける環境・制度の充実を図っている。今後も技術力の向上とともに、積極採用と人材育成を推し進め、30年には売上高1000億円を目指す。
地域に愛される会社へ
「企業を通じて社会に奉仕する」を社訓とし、さまざまな社会貢献活動を展開する。23年に開業した下瀬美術館(大竹市)は、24年に国連教育科学文化機関(ユネスコ)が創設した世界ベルサイユ賞の「世界で最も美しい美術館」として最優秀賞を受けた。受賞を機に国内外から来場者が増えている。
特例子会社のもりじょう(安佐北区)では約40 人の障害者を雇用し、建築部品の簡易組み立て、こん包、包装を指導員が支援。グループ以外の施設にも作業を依頼し、障害者の社会的・経済的自立を後押しする。
また、県外の各拠点が所在する地域で、災害復興支援も積極的に行っている。東日本物流センターのある茨城県阿見町とは、災害時に倉庫の一部を避難所として提供する協定を結んだ。24年の能登半島地震では土のう袋やブルーシートなどを提供。建築現場だけでなく、災害復旧の現場でも製品が役立っている。
会社概要
丸井産業株式会社
本 社:広島市西区商工センター1-1-46
設 立:1958年(創業)
資 本 金:5億5500万円
売 上 高:678億円(2025年5月期)
従業員数:1925人(連結)
事業内容:建築物および設備架台の構造解析、耐震計算/建築物の設計、工事監理/建築・設備・電設資材の製造、販売/土木・建築工事業
T E L:082-270-0101
U R L:https://www.marui-sangyo.jp/
※2025年9月当時の情報です。