街づくりに経営資源注ぐ再生~創造~暮らし~集うを循環

テラスホールディングス株式会社

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実績が実績を生み成長軌道に乗る


 〝地域に根差した街づくり〟を企業使命に据え、成長軌道に乗り始めた。祖業の解体工事業を起点に、不動産に価値を生むビジネスモデルを構築。再生~創造~暮らし~集うの4テーマで事業領域を循環させ、実績を上げ始めている。

今ない〝当たり前〟目指す

 解体や環境リスク対策、原状回復工事などを手掛ける「再生」、リノベーションや家づくりなどの「創造」、飲食や賃貸事業、空き家管理などの「暮らし」、街のにぎわいを創出するイベント企画運営などの「集う」を連携、循環させ、今ない〝当たり前〟をつくる。テラスHDの街づくりビジョンだ。
 2023年秋、広島駅南口側の広島JPビルディング2階にベーカリーやラウンジなどを備えたフードホール「グランゲート広島」を開業。同ビル解体を機に、再開発ビルの資産価値を高める企画提案がチャンスをつかんだ。自社施工したことで、内装仕上げの仕事にも弾みがつく。
 グループ初の飲食事業を軌道に乗せるとともに水辺空間のにぎわい創出を担う「Rivace」事業につなげる。駅周辺地区まちづくり協議会メンバーの縁で、24年秋から駅前の〝川の駅〟エリアや南口地下広場でのイベント運営に携わり、若手を起用してモビリティ試乗会やモルック大会など企画。話題を呼ぶ。一見すると祖業からかけ離れた領域だが、街づくりの文脈に沿う。

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実力示す実績

 祖業を継承する桑原組は1958年創業。戦後広島の復興とともに業歴を重ねてきた。広島市内中心部で大型ビル解体も数多く手掛け、1万棟以上を施工。ビル14階に匹敵する高さ約40㍍で作業できる超大型解体専用機をはじめ保有重機は19台、業界屈指の起動力を発揮する。
 市街地の工事は安全や衛生面を確保し、高度な技術が求められる。中四国最大のオフィス・商業集積地の紙屋町・八丁堀地区をはじめ再開発が目白押しの広島市内で相次ぎ受注。地銀本店や大手生保ビル、基町相生通地区第一種市街地再開発事業関連など主要な建築物や難易度の高い案件をこなす。関東エリアでは首都圏中心にフィルム工事やリノベを主力に、国の機関や大手不動産向け300棟以上をはじめ都銀を手掛けるなど、シンボリックな建物も少なくない。主要ゼネコン5社などから請け負う一方で元請け工事も年々増え、売り上げも拮抗し始めている。

自らが創り出す

 土壌汚染やアスベストなどの環境リスク対策~不動産活用の一貫体制を敷く独自の土地再生事業「ワンストップ土地更地化サービス」(商標登録済)も確立。17年にはFC加盟で住宅建設事業「無印良品の家」を始め、宅地分譲・賃貸、注文住宅、空き家管理と事業領域を広げてきた。満を持して桑原組の持ち株会社としてテラスHDを22年9月設立。
 リーマンショック後の厳しい経営状況で4代目を継いだ桑原社長は、社内改革や成長軌道にかじを切るべくさまざまな施策を打ち出した。社員は若返り、自分で考え、行動を起こす自主性を引き出し、社内を活性化。「自ら機会を創り出し、その機会によって自らを成長させよ―を信条に、グループビジョン〝人と街の歴史を未来に繋げる〟をみんなで共有し、実践する。一人一人が輝くステージを自ら築き、活躍してほしい」と桑原社長。25年11月期はグループ売上高40億円を見込む。継承当時の4倍以上の規模となる。



会社概要

テラスホールディングス株式会社
設  立:2022年9月16日
資 本 金:1億円
売 上 高:33億円(2024年11月期)
従業員数:75人
事業内容:総合建物解体工事、環境リスク対策工事、無印良品の家販売、建築、不動産売買・仲介・開発、リノベーション、飲食
T E L:082-507-2244
U R L:https://www.terrace-hd.co.jp/
※2025年9月当時の情報です。