必要とされる外国人材を育成多様化するニーズに対応
協同組合西海協
グローバル共生社会の実現へ
2022年設立来、累計で8000人以上の技能実習生・特定技能外国人を受け入れてきた。43都道府県で展開し、在籍者は25年4月時点でアセアン中心に7カ国・2000人を超え、受け入れ組合員数は製造業中心に179社に上る。西日本最多の受け入れ実績を誇り、全国でも有数の監理団体に発展。時代の要請に応えるべく受け入れ態勢を磨き、人材育成の懸け橋を担う。
全国に先駆け
25年7月、ベトナム人男性4人を受け入れ、9月の第2陣と合わせ計15人が大型トラックの免許取得に挑む。19年施行した特定技能制度の対象に24年12月から自動車運送業分野が加わった。物流24年問題などを背景にドライバー不足が深刻化する中、登録支援機関として全国の先陣を切り、特定技能運転手の育成支援に着手した。受け入れ企業のニーズや相手国の特徴に合わせて新免取得・外免切り替えの両輪で外国人運転手需要に対応。全国展開を視野に、外国人免許取得の可能な自動車学校との提携も順次、進めていく。
このほか倉庫管理や介護、手荷物・貨物取扱業務などの空港グランドハンドリングの分野も注力。専門性や難易度が要求される職種も積極的に手掛けることで成長戦略を描く。現場は人材不足で困っている。国の制度に沿い、実績を生かしながら、その課題解決に役立つ事業に経営資源を投じる構えだ。
期待される外国人材
将来を支える15歳未満の人口が減り続け、15~64歳の生産年齢人口は2065年には20年と比べ約2900万人減り約4500万人、全体の約5割に低下する見通し(総務省)。人手不足の上に働き方改革も進み、外国人材の活躍はこれまで以上に求められる。製造業向けを主力に技能実習生の受け入れを拡大してきたが、熟練した技能が必要な特定技能が今後ますます増加する傾向にある。池田純爾理事長は、「質の良い、安定した教育体制を構築していくとともに、多様化する外国人材ニーズにも応えていきたい」と、研修センターの再整備や、特定技能外国人輩出を内製化する企業の伴走型支援も推進する方針だ。
キャリアパスを重視
1993年施行の技能実習制度は2023年に廃止の方針が決まり、27年4月に人手不足対策やキャリア形成などに重点を置く育成就労制度がスタートする。一方、外国人労働者は厚生労働省によると24年10月末で230万人を突破、雇用する事業所は34万を超え、07年の届出義務化以降いずれも過去最多。
「国籍は違おうと、働きがいがあり、やりがいのある人生設計が自由に描ける生き方ができることが望ましい。技能実習から、育成就労へ転換していく中、キャリアアップ・パスを可能とする自立した外国人材の輩出を目指す」と池田理事長。
今後、外国人材の獲得競争はますます激しくなる。最多受け入れ先国ベトナムには「アセアン事務所」を配し、現地の教育機関とも提携。質の良い一定水準の人材を掘り起こす体制を整えてきた。むろん、日本語や生活習慣を身に付け、安心して日本で暮らし、就労できる指導も怠りない。7カ国にスリランカやネパールも加わり、インドも予定。「日本人と日本に暮らす外国人がお互いを尊重しあえる関係づくり、平和で安全な、グローバルな共生社会をつくる」。大きな目標であり、願いだ。
会社概要
協同組合西海協
本 社:広島市安佐南区伴南1-3-16 3階
設 立:2002年10月
従業員数:61人(2025年8月現在)
事業内容:外国人技能実習生共同受入事業、特定技能外国人支援事業、 インターンシップ受入事業、高度人材受入事業、海外進出事業に関する支援
T E L:082-849-4674
U R L:https://www.saikaikyo.com/
※2025年9月当時の情報です。