地域の未来、共に創るメディアへユーザー起点のデジタル展開

株式会社中国新聞社

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「地域応援企業グループ」として領域拡大

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 中国地方を代表する有力地方紙。朝刊「中国新聞」や国内外の話題をやわらかく伝える「中国新聞SELECT」を発行する。ウェブサイト「中国新聞デジタル」やニュースアプリなどデジタルメディアによる発信にも力を入れる。
 広島、備後、防長(山口)の3本社を中心に中国5県に張り巡らせた取材網が強み。2019年の参院選広島選挙区で起きた大規模買収事件に端を発し、政治とカネの問題を追った連載「決別 金権政治」の取材班が25年度の日本記者クラブ賞特別賞を受けた。5年に及ぶ取材で政権中枢の裏金問題をあぶり出し、政治改革を迫った。
 被爆地の新聞社として反核・平和報道にも注力する。同社ヒロシマ平和メディアセンターは原爆の惨禍を国内外に伝えてきたことが評価され、25年に日本外国特派員協会から報道の自由賞の名誉日本賞を受賞。被爆80年の25年は、企画「ヒロシマドキュメント」などで核時代や被爆者の記録と継承の動きを重層的に取材し、同名の特設サイトも開設した。

読者ニーズと向き合う

 近年は読者ニーズの多様化に合わせ、さまざまなデジタル媒体での情報発信に取り組む。「中国新聞デジタル」では、広島東洋カープの歴代番記者による名物コラム「球炎」の過去記事が読める特設コーナーを設けた。写真やイラストを多く使い、広島の暮らしや仕事に役立つ情報を伝えるサイト「中国新聞U35」も展開する。
 さらに、短時間で情報をチェックしたい若者の需要を踏まえ、スマートフォン向けニュースアプリ「みみみ」を24年に公開した。地域の話題を届けるほか、読者と記者が直接交流できるトークルーム「イドバタ」を設け、新しいニュース体験を提供する。SNSのようなデザインで、24年度に日本デザイン振興会の「グッドデザイン・ベスト100」に選ばれた。
 24年に始まった中国新聞社を中心とした多様なサービスを一つのIDで利用できる新会員基盤「たるポ」の会員は28万人を超えた。たるポ内のユーザーモニター制度「たるトモ」会員も3000人に達した。アンケートやインタビューを通じて読者ニーズを継続的に調査・分析し、将来的にはグループ19社のマーケティング強化にもつなげたい考えだ。

まちづくりの一翼担う

 「地域応援企業グループ」として、まちづくりにも事業領域を広げる。公共施設の整備、管理運営を担うPFI事業では、旧市民球場跡地に開業した「ひろしまゲートパーク」、「広島城三の丸」、新サッカースタジアムそばの「ひろしまスタジアムパーク」などの運営に参画している。
 大型のイベントにも携わる。冬の新たな風物詩「ひろしまクリスマスマーケット」や、被爆1年後に開かれた盆踊り大会を再現した「ひろしま盆ダンス」を主催。平和の祭典「ひろしまフラワーフェスティバル」、地元企業とスタートアップ企業をマッチングする催し「― TSUNAGU広島―」も企画運営する。
 不確実な情報が飛び交う先の見えない時代だからこそ、地域社会での新聞社の存在意義は大きくなっている。同社のミッション、「確かな情報でこのまちを守り、力づけ、おもしろくする」を道しるべに、地域の未来に欠かせないメディアを目指す。



会社概要

株式会社中国新聞社
本  社:広島市中区土橋町7-1
設  立:1892年5月5日
資 本 金:3億円
売 上 高:198億4911万円(2024年12月期)
従業員数:397人
事業内容:日刊新聞の発行
T E L:082-236-2111
U R L:https://chugoku-np.com/
※2025年9月当時の情報です。