不動産領域で事業拡大12年から10社超をM&A
株式会社第一ビルサービス
シン・マリホ水族館を25年冬に開業
ビルメンテナンスを主軸とする第一ビルサービスを中核に、約22社で構成される「みどりホールディングス(HD)グループ」。病院内給食や介護施設の運営など事業を多角化し、2012年以降は10社超をM&Aで傘下に加え、拡大路線を加速してきた。23年には創業60周年を迎え、グループは新体制へ。今後10年で、同社単体売上を160億円、グループ全体で1000億円へと伸ばす目標を掲げる。
現在、グループの年間売上高は328億円(25年6月期)で、前年比85億円増と過去最高を更新。25年6月期は同400億円を見込む。中核のビルメンテナンスや不動産収入が堅調で、グループ全体では年間5件程度のM&Aを検討。海外初のM&Aとしてアセアン地域のビルメン会社の買収も計画する。
中核のビルメンテナンス 指定管理は中四国最多
ビルメンテナンスは、指定管理棟数で中四国最多を誇る。最近では物販やイベント企画など施設運営の幅を広げ、東広島市の道の駅「西条のん太の酒蔵」や、2024年4月にリニューアルした「広島県立もみのき森林公園」なども手掛ける。
島根県では美又温泉や旭温泉の観光施設を運営。近隣のリゾート「KAZENOKUNI IWAMI RESORT& STAYS」や「はまだお魚市場」などと連携して地域観光の活性化を進め、エリア一体で集客を図っている。美又温泉は「美人の湯・美肌の湯」として知られ、近隣のスポットを巻き込んで発信していくという。
シン・マリホ水族館開業
観光振興の一環として、24年冬に閉館した「マリホ水族館」の再生に向け、25年冬に「シン・マリホ水族館」として西区の商業施設アルパーク東棟3階に移転オープン。展示面積は約760平方㍍で旧館の2倍。「一滴の水から始まる物語」をコンセプトに、県の天然記念物「ゴギ」や熱帯魚、クラゲなどを展示し、家族連れが楽しめる施設に再構築する。
九州エリアへ進出
客足の低迷した施設を引き継ぎ、再生させるといった事業を中四国で展開してきた同社。22年5月には福岡県の建設会社をM&Aし、九州に進出。中四国での実績が呼び水となり、九州エリアでも問い合わせが増えているという。今後、不動産関連事業のノウハウを九州でも生かしていく。26年6月には熊本県荒尾市で「道の駅ウェルネスあらお」を開業予定。近隣市町村の海や山の幸を楽しめる、物産と福祉が連携する新複合施設としていく。
不動産取得を積極化 全国各地でホテルなど保有
みどりグループでは、不動産の取得を全国各地で積極的に進めており、現在保有している物件は、北は北海道旭川から南は鹿児島まで広がっている。物件はオフィスビルを中心に、ホテルや介護施設など多様な用途の不動産も含まれており、その総数は約40棟にのぼる。
不動産領域で事業を拡大する同グループ。杉川会長は「不確実な時代だからこそ、一人ひとりが前向きに挑戦し、進化を続ける会社でありたい。地域に信頼され、貢献できる企業グループを目指す」と語り、今後もM&Aを積極的に進め、グループ全体で売上高1000億円を目指す。
会社概要
株式会社第一ビルサービス
本 社:広島市中区大手町5-3-12
設 立:1963年7月
資 本 金:3000万円
売 上 高:95億726万円(グループ売上高328億7455万円)
従業員数:960人(グループ2053人)
事業内容:不動産総合サービス業
T E L:082-248-1601
U R L:https://www.midori-gr.com/daiichibs/
※2025年9月当時の情報です。