地場警備業で首位の座目前拠点増やし中国地方を網羅
株式会社テイケイ西日本
高速道路など高難度に軸足据える
中国地方の地場警備業トップが目前だ。コロナ禍を機に本格化した高速道路向けをはじめ、難易度の高い警備へかじを切った経営戦略が結実。業績向上~労働環境と待遇の改善~人材確保・育成が好循環する事業推進体制が整い、拡大路線を軌道に乗せている。
実践さながらの訓練
48期目の2025年5月期売上高は前期比13・7% 増の39億7233万円、経常利益は同2・6倍の3億2281万円を計上。10期連続増収・4期連続増益と売上高、利益共に過去最高を更新した。創業来から主力の交通誘導は、JR広島駅南口再整備工事や広電路面電車の駅ビル乗り入れ工事、西広島バイパス延伸工事など大型案件を受注。イベント警備はポルノグラフィティ野外ライブなど注目度の高い案件をこなす。特に高速道路向け売り上げは13億円を超え、夜間交通規制や鉄道なども含め難易度の高い高収益警備が全体の50%以上に伸長してきた。
安全確保に気が抜けないこうした警備の受注獲得へ実践訓練を重視。自動車学校や県外の農道離着場滑走路を借り切って現場を再現した会場を整え、臨場感のある訓練を重ねる。海田社長は、「警備の品質を磨く以上に、常に危険と隣り合わせの仕事に対し、真剣に向き合う意識をしっかりと身に付けてもらうことが狙い」と、厳しさとやりがいが表裏一体の警備に誇りを持ってほしいと願う。
教育訓練を起点に、拠点整備による地場採用促進~受注拡大につなげ、中国地方を着々と網羅する。
DXを活用
支社や営業所などを広島13、島根6、山口2、岡山と鳥取に各1拠点配し、25年8月に24拠点目の古江事務所を開設。同時に各拠点売り上げの目標管理を徹底している。「数字から見えてくる問題点を洗い出し、ロス率削減や、人員不足などで機会損失のないよう万全な受注体制に努めている。きめ細やかな積み重ねが目標達成の基本」と海田社長。
効率・効果的な警備のサービス体制へDXを推進。同年7月、拠点間でタイムリーに情報共有できるタッチパネル式大型モニターを稼働した。配置警備員の過不足を拠点間で相互に解消し、受注機会を増やす。人工知能(AI)活用の自動交通誘導システムの導入なども検討していく。
100年企業へ変革と挑戦
警備員880人中、交通誘導1・2級や雑踏警備など国家資格者は500人(25年7月時点)。ここ数年で給与見直し(固定給化、年2回賞与、休業補償、能力給導入など)や社会保険完備、労災上乗せ保険内容の拡充と、定年まで働ける待遇を整え、生活支援の見舞金支給など福利厚生も手厚くしてきた。総合職は昇進が望め、離職率を大幅に減らし、採用強化にもつながっている。
原田博男会長が1977年に創業。現地調査~計画~行政機関との折衝~人員・保安用資機材の手配をワンストップで提供する警備体制を強みに、全国大手中心の機械警備とは一線を画す商圏で顧客の信頼を厚くしてきた。原田会長は自らの経験から「誠意と熱意ある仕事が感動を生み、仕事を通じて社会に奉仕する」を全社の基本姿勢に据える。小さなことを疎かにしない。その積み重ねが大事業に至る。その精神はテイケイ西日本のDNAともいえる。
50期売上目標42億円を前倒しで突破する勢いだ。たゆまぬ「変革と挑戦」で100年続く会社を目指す。
会社概要
株式会社テイケイ西日本
本 社:広島市中区東白島町19-77(テイケイBUILD)
設 立:1977年6月
資 本 金:3000万円
売 上 高:39億7233万円(2025年5月期)
従業員数:880人
事業内容:警備業
T E L:082-227-6584
U R L:https://www.tei-kei-wj.co.jp/
※2025年9月当時の情報です。